「あの人はいつも冷たい」
「私はちゃんとやっているのに、評価されない」
「なぜ、みんなわかってくれないんだろう」
そう感じたことがある人は、多いのではないだろうか。
だが、少し立ち止まって考えてみてほしい。
その“見え方”は、あなたの“見方”によってつくられているのではないか?
今回は、自分の見方に自覚を持つことで、他者との関係性も人生の見え方も、根本から変わっていくことについてお伝えしたい。
1章 “世界の見え方”は、自分の内側から決まっている
人は、現実をそのまま見ているようで、実はそうではない。
私たちは、自分なりのフィルターを通して、物事や人を判断している。
「上司は自分のことを嫌っている」
「パートナーは何もわかっていない」
こうした思い込みも、その人が悪いというより、自分の内側にある見方の反映にすぎない。
実際、私が支援している管理職研修でも、「部下のやる気がない」と決めつけていた上司が、自分の先入観に気づいたことで、関係が劇的に改善した例がある。
2章 “自分の見方”を自覚することから始めよう
問題が起きたとき、私たちはつい「相手に原因がある」と考える。
けれど、その前に一度立ち止まってみよう。
「自分は、相手をどう見ていたのか?」
「なぜ、そう見えたのか?」
自分が無意識に持っている思い込みや前提、価値観に気づくことは難しい。
しかし、それに気づかない限り、「他人はなぜそうするのか」も見えてこない。
さらに言えば、「他人から自分がどう見えているか」も、想像の域を出ない。
3章 「自分は客観的」だと思い込んでいないか?
人は誰しも、自分の見方が正しいと信じている。
「私はちゃんと見ている」
「私は偏見なく判断している」
そう思い込みやすい。
だが、その“客観性”も、実は主観的な価値観や経験、感情に基づいていることが多い。
ある企業研修で、「部下に冷たく接してしまう」と悩んでいたマネージャーがいた。
よくよく話を聞いていくと、彼自身がかつて「甘やかされて伸びなかった」と感じており、それが「厳しく接するのが正しい」という信念につながっていた。
このように、“正しい”と信じていることすら、過去の体験というレンズを通して見ていることに気づくことが大切だ。
4章 視点を変えることで、相手が変わる
「自分の見方」を変えると、不思議と相手の反応も変わってくる。
たとえば、家族に対して「何も手伝ってくれない」と不満を抱えていたある女性が、「自分が頼まずに我慢していること」に気づいた瞬間、コミュニケーションが変わった。
言い方を変えたことで、家族も協力的になり、関係が穏やかになったという。
このように、自分のフィルターを変えることで、相手に対する期待や接し方が変わり、結果として相手の行動も変わる。
他人を変えるのではなく、自分の“見方”を変えることが、変化の始まりなのである。
5章 “自分の目で見る”ということの本当の意味
本当に「自分の目で見る」とは、
• 他人の評価ではなく、自分の信念を持つこと
• 自分の思い込みに気づき、問い直すこと
• 状況を多面的に見ようとする姿勢を持つこと
そのためには、自分の内面を見つめる勇気が必要だ。
そしてそれは、日常の中で少しずつ身につけていくものでもある。
私が実践しているのは、「違和感を感じたとき、自分の見方に“?”をつけてみる」こと。
たとえば、「なんであの人はあんな態度なんだ?」と感じたら、
「自分は何を期待していたのか?」と問い直してみる。
すると、「相手が悪い」と思っていた出来事が、自分の視点を変えるチャンスになる。
おわりに
他者の見方を理解しようとする前に、自分がどんな見方をしているかに気づくこと。
それが、人生のあらゆる場面での変化の出発点になる。
私たちは、世界を“ありのまま”見ているのではない。
“自分のレンズ”を通して見ているにすぎない。
そのレンズを磨き、時にはかけ直すことで、
他人との関係も、自己理解も、そして未来の見え方も大きく変わっていくのだ。
世界の見え方を変えたいなら、自分の見方を見直すことから始めよう。
それが、あなただけでなく、周囲の人々との関係をも優しく変えていく一歩になる。
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