「どれも大切に思えて、全部引き受けてしまう」
「忙しさに振り回されて、本当にやりたいことが後回しになる」
「気づけば、いつも“緊急”なことで1日が終わっている」
現代の私たちは、常に“何か”に追われながら生きています。
けれど、その“何か”は本当に自分にとって重要なことなのでしょうか?
大切なのは、「いちばん大切なこと」を知り、それを守り抜くこと。
そしてそのためには、たとえ「良さそうなこと」であっても、自分にとって“最良”ではないものには、はっきりと「ノー」を言う勇気が必要なのです。
1章 「緊急性」に惑わされる現代人
電話の着信、メールの返信、会議の誘い、突然のお願い。
これらはすべて「緊急」に見えるものばかりです。
しかし、「緊急=重要」とは限りません。
たとえば、
・突然の打ち合わせよりも、部下との1on1の時間の方が重要だったり
・SNSの通知よりも、子どもとの会話が大切だったり
“緊急に見える用事”が、本当にあなたの人生を豊かにするとは限らないのです。
2章 “良いこと”をすべて受け入れる危うさ
頼まれごとや誘いが来たとき、「これは良さそうだ」「役に立ちそうだ」と思って引き受けることがあります。
たしかにそれは、“良いこと”かもしれません。
でも、その“良い”が積み重なると、あなたにとって“最良のこと”に使う時間が失われていきます。
結果として、
・本当に取り組みたかったプロジェクトが先延ばしに
・心から会いたかった人との時間が取れずに流れていく
・大切にしたい価値観が、日々の忙しさに埋もれてしまう
人生において、最も恐ろしいのは「悪いこと」ではなく、「良いことに囲まれて、最良のことができなくなること」なのです。
3章 「ノー」と言う勇気が、あなたの価値を守る
「ノー」と言うのは、気が引けるものです。
とくに、それが“良いことである”ほど、断りづらい。
でも、あなたが「いちばん大切にしているもの」を守りたいなら、「ノー」と言うことこそが、その価値を守る行動なのです。
ここで重要なのは、何に「ノー」と言うかではなく、何に「イエス」と言いたいのかを明確にしておくこと。
あなたが本当に力を注ぎたいことは何か?
あなたにしかできない貢献とは何か?
それを明確にしたうえでこそ、「ノー」が意味を持つのです。
4章 「最良」を選ぶとは、自分の時間に責任を持つこと
時間はすべての人に平等に与えられた資源です。
だからこそ、何に使うかは人生の方向そのものを決めてしまいます。
・「緊急そうなこと」に反射的に時間を使うか
・「本当に大切なこと」に意識的に時間を使うか
その選択は、自分の時間に責任を持つということに他なりません。
ある経営者は、「午前中は、絶対に自分のビジョンに関わることしかしない」と決めていました。
どんなに会いたいと言われても、どんなに良さそうな案件でも、断る。
それは、自分にとって“最良”の時間の使い方を知っていたからです。
忙しいからこそ、自分の時間の使い方に明確な意図を持つ必要があるのです。
5章 あなたにしかできない貢献のために
あなたがこの世で果たすべき使命や役割は、他の誰でもありません。
その使命を全うするためには、「良さそうなこと」ではなく、「あなたにしかできないこと」を選び続ける必要があります。
「ノー」を言うことは、ただ断るのではなく、自分の大切な使命に「イエス」と言うということ。
それによって、あなたの言動には一貫性が生まれ、信頼される人間関係が築かれ、結果的に、より大きな貢献を果たせるようになります。
おわりに
あなたの人生にとって、本当に大切なことは何ですか?
それを選び取るために、何を手放す必要があるでしょうか?
大切なことを守るには、ときに「良いもの」にノーと言う勇気が必要です。
その勇気こそが、あなたの人生を「最良のもの」へと導いてくれます。
今日という1日、あなたが「イエス」と言いたいものは何ですか?
そして、それを守るために、どんな「ノー」が必要ですか?
あなたの未来は、そのひとつの“選択”から、確かに動き始めます。
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