ビジネスを始めるとき、多くの人が真っ先に資金調達や販売戦略に目を向けます。
しかし、本当に大切なのはその前の段階──「何を達成したいのか」という目的を明確にすることです。
これを怠ると、どれほど資金があり、優れた人材を揃えていても、ビジネスはすぐに壁にぶつかります。


第1章 第一の創造とは何か

「第一の創造」とは、実際に行動する前の「頭の中での設計図」を意味します。
家を建てるとき、設計図なくして工事が進まないのと同じで、ビジネスも目的・方向性・計画という“見えない土台”がなければ成り立ちません。

成功している企業の多くは、この第一の創造に徹底的に時間をかけています。
どんな顧客に、どんな価値を提供するのか、なぜその事業を行うのか──こうした問いに答えられるかどうかが出発点なのです。


第2章 失敗する企業の共通点

多くの失敗例を調べると、その原因は資金不足や市場の誤読といった「外的要因」よりも、第一の創造の不十分さに根差しています。

  • 資金不足:そもそも明確な収益モデルが描けていなかった

  • 市場の読み違い:誰に何を提供するかを深掘りしていなかった

  • 計画の甘さ:目的を数値化・行動に落とし込んでいなかった

これらはすべて、明確な目的と設計図がないことによって生じる「当然の結果」ともいえます。


第3章 第一の創造を描く具体的ステップ

では、どうすれば第一の創造を確かなものにできるのでしょうか。
実践的なステップは次の通りです。

1.目的を一文で表現する

「私たちのビジネスは〇〇を解決するために存在する」と言えるかどうか。

2.理想像を描く

3年後、5年後にどんな状態になっていたいかを具体的にイメージする。

3.逆算で行動計画を立てる

理想像から逆算して、今期・今月・今日やるべきことを定める。

4.数値化する

売上や顧客数など、客観的に進捗を測れる指標を設定する。

5.環境変化への柔軟性を持つ

設計図は不変ではなく、学びや市場環境に応じて修正・改善を加える。


第4章 実例:友人の起業ストーリー

私の友人に、起業を志したものの最初は失敗を繰り返していた人がいます。最初のビジネスは「とにかく売れる商品を探そう」という姿勢で始めたため、資金繰りに追われ、半年も経たず撤退しました。

しかし、二度目は「自分が解決したい課題」を中心に据え、第一の創造を丁寧に描いたのです。
ターゲット顧客、提供価値、収益の仕組みを明確化した結果、2年目には安定した利益を出せるようになりました。

彼はこう振り返ります。
「最初は“お金を稼ぐ”ことばかりを考えていました。
でも二度目は“誰のどんな悩みを解決するのか”を徹底的に掘り下げたんです。
そこから戦略や行動が自然に決まり、チームも顧客もついてきました。」

この友人の事例からも、ビジネスの成功と失敗を分けるのは、第一の創造を明確にしたかどうかに尽きるといえます。


第5章 第一の創造を強化する3つの視点

さらに、第一の創造を形にするためには次の3つの視点が欠かせません。

  • 顧客視点:「顧客にとっての意味は何か?」を常に問い続ける。

  • 時間軸視点:短期的な利益だけでなく、5年後10年後を見据えて計画を立てる。

  • 学習視点:一度決めた方向性を絶対視せず、学びを反映し続ける。

こうした視点を取り入れることで、第一の創造は机上の空論ではなく、現実に生きた戦略へと変わります。


第6章 チェックリスト:第一の創造を描くときの問い

  • 私は「何を達成したいのか」を一文で説明できるか?

  • 提供する価値と顧客像を具体的に言葉にできるか?

  • 目的から逆算した短期・中期・長期の計画があるか?

  • 進捗を測定するための明確な指標を設定しているか?

  • 市場や競合に左右されてもブレない「軸」を持っているか?

  • 設計図を定期的に見直し、修正する習慣があるか?


結論

ビジネスを成功させたいなら、まず「何を達成したいのか」を明確にすることです。
失敗する企業の多くは、資金不足や市場の変化に翻弄される前に、第一の創造──頭の中の設計図──でつまずいています。

設計図のない家が崩れるように、目的を描かないビジネスは必ず揺らぎます。
逆に、原則に従って明確な設計図を描いた企業は、困難に直面しても立ち直れる強さを持っています。

「まず思い描くこと」。これこそがビジネス成功の第一歩であり、すべての土台なのです。