「ダイエットしなきゃと思いながら甘いものを食べてしまう」
「本を読みたいのに、ついスマホに手が伸びる」
「子どもと向き合いたいのに、仕事のことで頭がいっぱいになる」

こんな経験、あなたにもありませんか?
私たちはしばしば、「今すぐ得たい快適さ」と「将来得たい理想」の狭間で揺れています。
その選択をどう乗り越えるか──それこそが、幸せを手に入れるための鍵なのです。

今回は、私がコーチングや講演で伝えてきた中でも特に多くの反響をいただいたテーマ「未来志向の選択」について、実例を交えてお話しします。

1章 「目先の快楽」はなぜ魅力的に見えるのか

人間の脳は、瞬間的な快感に敏感です。
SNSの通知、コンビニのスイーツ、夜更かしの誘惑…。
これらはすべて、“今すぐほしい”という感情に訴えかけてきます。

私自身、ある時期、夜中にお酒とスマホを手放せなくなっていた時期がありました。
「明日の朝、早起きしたい」「集中力を高めたい」と思いながら、つい夜更かししてしまう。
その結果、自己嫌悪と疲労でさらに生産性が下がるという悪循環。

けれど、それは意志が弱いからではありませんでした。
「未来の自分」をイメージできていなかったことが原因だったのです。


2章 “本当にほしい結果”は、じっくり育てる果実

長期的な成果は、畑にまいた種のようなもの。
水や栄養を与え、時間をかけて育てなければ収穫はできません。

以前、私が関わったある企業研修で、営業部の若手社員がこんな悩みを打ち明けてくれました。
「毎日、即決される案件ばかり追っていて、疲れきっています。
でも、顧客との信頼関係を築きたいという気持ちもあるんです」

私は彼に、「信頼という果実を得たいなら、“今すぐの成果”を少しだけ手放してみよう」と伝えました。
彼は即決のプレッシャーから一歩引き、丁寧なヒアリングや小さなフォローアップを重ねるようになりました。

半年後、信頼ベースで大型契約を獲得。
「焦らず種をまいたからこそ、今の成果がある」と笑ってくれました。


3章 「今の選択」が未来をつくる

私たちは毎日、無数の選択をしています。
朝早く起きるか、二度寝するか。
一歩踏み出すか、現状にとどまるか。

そしてその選択は、ほとんどの場合、「今すぐ得られる快」か「将来得たい理想」かという選択でもあります。

たとえば、ある女性のクライアントは「子育てと自己実現の両立」に悩んでいました。
夜に子どもが寝た後、ドラマを見るのが唯一の息抜き。
けれどその時間を少しだけ自分の学びに充てるようになったことで、1年後には資格を取得。
いまではその知識を活かして新たな仕事の道を切り開いています。

「今すぐの楽しみ」をゼロにする必要はありません。
でも「未来の幸せ」を育てるために、“少しだけ”優先順位を見直すことはできます。


4章 誘惑に勝つのではなく、「軸」を持つ

目の前の誘惑に打ち勝つのは簡単ではありません。
だからこそ大事なのは、「自分が本当に望む未来」をしっかり言語化すること。
つまり“軸”を持つことです。

私の習慣の一つに「未来日記を書く」というものがあります。
「1年後の自分が、どんな生活をしていたら心からうれしいか?」をできるだけリアルに書く。
その理想の1日に向けて、今日、どんな小さな選択を積み重ねるか。

この視点を持つことで、短期的な欲に流されそうになったとき、「いや、今日は未来の自分を裏切らない選択をしよう」と思えるようになりました。


5章 幸福は「我慢」の結果ではない

未来のために今を犠牲にするというと、“我慢”のように聞こえるかもしれません。
でも実際は逆です。

「本当にほしい結果」のために選択を積み重ねていくと、自分を誇らしく思えるようになります。
たとえ成果がすぐ出なくても、「自分は自分の人生を大切にしている」と実感できるようになるのです。

私が出会ってきた多くの人が、そうやって本来の自信を取り戻していきました。
それは、小さな選択の積み重ねが「誇れる生き方」をつくることを体感したからにほかなりません。


おわりに

「幸福とは、今すぐほしい快適さではなく、“本当にほしい未来”を選んだ先に得られる果実」──
その言葉の意味を、私はたくさんの人の変化を通じて確信しています。

もし今、どこかにモヤモヤを感じているなら、それは「未来の自分」からのメッセージかもしれません。
目先の快より、大きな果実を育てる選択を──今日、この瞬間から始めてみませんか。