「このままでいいのだろうか」
「何のために働いているのか分からない」
「忙しい毎日なのに、どこか空虚だ」
そんなふうに感じたことはありませんか?
人生の節目や、迷いの中にいるときこそ、“終わりを思い描くこと”から始めることが、自分を立て直す第一歩になります。
そしてそのためにもっとも効果的な方法が、「個人のミッション・ステートメントを書くこと」です。
それは、人生の羅針盤であり、自分だけの“生き方の設計図”。
今回は、このミッション・ステートメントの意義と書き方について詳しくお伝えします。
1章 なぜ「終わりを思い描くこと」から始めるのか
人はつい、目の前のタスクや役割に追われてしまい、「そもそも自分は、どんな人生を送りたいのか?」という問いを忘れがちです。
でも、自分の人生の最終地点――つまり、
「最期にどんな人間で在りたかったか」
「どんな足跡を残したかったか」
そこを明確にしておくことで、今この瞬間の選択や行動にも、一貫性と意味が生まれるのです。
この“終わりから考える”視点を、毎日の生活に取り入れていくためのツールが、ミッション・ステートメントです。
2章 ミッション・ステートメントに含める3つの要素
ミッション・ステートメントとは、単なる目標リストや夢の羅列ではありません。
そこには、次の3つの要素がバランスよく含まれていることが大切です。
① どんな人間になりたいのか(人格)
まず大切なのは、“在り方”です。
「どのような人間でありたいか」
「どんな価値観をもとに生きたいか」
たとえば、
・誠実でありたい
・人に優しく、思いやりを持ちたい
・自分に対しても嘘をつかない人でありたい
これは、目に見える成果ではなく、“内なる軸”を明文化する部分です。
② 何をしたいのか(貢献・功績)
次に、“行動”の面。
「自分の人生を通じて、何を実現したいのか」
「どんな影響を周囲や社会に与えたいのか」
たとえば、
・子どもの成長を支える親でいたい
・安心できる職場づくりに貢献したい
・物書きとして、多くの人の気づきを引き出したい
これは、自分の役割と使命感を明確にする部分です。
③ 土台となる価値観と原則
最後に、それらすべての判断の基準となる“原則”や“価値観”を書きます。
たとえば、
・信頼は一日にしてならず
・人を育てることは未来をつくること
・まずは自分が実践者であること
この価値観が、ブレそうになったときの“帰る場所”となるのです。
3章 形式に正解はない、個性がにじむもの
ミッション・ステートメントには、決まった形式はありません。
箇条書きでも、文章でも、詩のような表現でも、絵や図でも構いません。
なぜなら、人の個性がそれぞれ違うように、ミッション・ステートメントもまた“世界に一つだけのもの”だからです。
ある人は「5年後の理想の一日」を物語形式で書くかもしれませんし、ある人は「大切にしたい言葉」を並べることで、自分を見つめ直すかもしれません。
大事なのは、「自分の心に響くかどうか」。
それが、自分自身との対話の成果であることです。
4章 書いたあとが本番。日々“生きる”ことが大切
ミッション・ステートメントは、書いて終わりではありません。
日々の生活の中で、それにふさわしい行動を選び続けることが、本当の意味での実践です。
それは時に、
・葛藤の中で価値観を選び直すこと
・つい感情的になった自分を省みること
・大切な誰かに誠実であろうとすること
こうした小さな選択の積み重ねこそが、ミッションを“生きる”ということにほかなりません。
5章 何度でも見直していい。人生とともに進化するもの
人生のフェーズが変われば、役割や関心も変わります。
だからこそ、ミッション・ステートメントもまた、“一度書いたら終わり”ではなく、何度でも見直していい”のです。
・大きな転機を迎えたとき
・立ち止まってしまったとき
・何か大切なものを失いかけたとき
そのたびに原点に立ち返り、ミッションを読み返し、必要があれば書き直す。
そのプロセスを通して、自分の人生に対する“主体性”は深まっていきます。
おわりに
人生にはさまざまな波があります。
不安も迷いも、時には挫折もあるでしょう。
でも、そんなときこそ、自分のミッション・ステートメントという“羅針盤”が、進むべき方向を教えてくれます。
それは世界に一つしかない、あなた自身が設計した人生の地図。
そして、その地図に描かれた未来へ向かって、一歩ずつ歩むことが「自分の人生を生きる」ということなのです。
今日から、少しずつで構いません。
あなた自身の“ミッション”を書いてみませんか?
それは、今ここから始まる、自分だけの旅の第一歩です。
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