「ついイライラして言い返してしまった」
「気づけばまた、いつものパターンに流されている」
「どうせ私なんて無理だから…」
こうした言葉に心当たりはないでしょうか?
多くの人が、自分の言動や感情を「状況」や「人のせい」にしてしまいがちです。
しかし、私たち人間には、「選択の自由」という他の生き物にはない力があります。
それは、刺激と反応の間にある、わずかな“間”を使えるかどうかにかかっています。
今回は、日常の悩みにも直結するこのテーマについて、
自らの実体験や事例も交えながらお伝えします。
第1章 「反応」で生きると、後悔が増えていく
朝、上司に小言を言われてムッとする。
家に帰って、子どものいたずらにカッとなって怒鳴る。
SNSで否定的な意見を見て落ち込む。
これらは、すべて「刺激に対して、無意識に反応してしまった状態」です。
こうした反応で行動を決めていると、その瞬間は一時的にスッキリしても、後で自己嫌悪や後悔につながりやすくなります。
私自身も、若い頃は感情の波に揺られやすく、失言や誤解を繰り返してきました。
けれどあるとき、「刺激のあとに、すぐ反応しなくてもいい」と気づいてから、生き方が少しずつ変わり始めたのです。
第2章 選択の自由は、誰の中にもある
人間には、以下の4つの力が備わっています。
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自覚:自分の感情や思考を客観的に見つめる力
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想像:未来を思い描き、違う行動を考える力
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良心:正しいかどうかを自分で判断する力
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意思:状況や感情に左右されず、選んだことを実行する力
この4つの力によって、私たちは「選ぶ」ことができます。
たとえば──
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ムッとしたけど、一呼吸おいてから言葉を選ぶ
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忙しい日でも、子どもに5分だけでも目を向ける
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誰かの失敗を責めず、励ます言葉をかける
これらはすべて、“選択”の結果なのです。
第3章 選択する人の行動は、未来を変える
ある企業のマネージャーの話です。
部下から繰り返しミスが報告され、思わず怒鳴りそうになる瞬間が何度もありました。
しかし、彼はあるとき、自分の行動をふり返り、こう考えました。
「今まで私は“怒る”ことしか選んでいなかった。
でも、同じことを繰り返しても変わらない。
今度は“理解しようとする”ことを選んでみよう。」
それから彼は、毎回“叱る”前に部下と5分話す時間をとり、「なぜその行動をとったのか?」を問いかけるようにしました。
結果として、部下の信頼が深まり、ミスも大幅に減っていったそうです。
自分の行動を“選ぶ”ことは、まわりの人間関係や成果にも大きく影響するのです。
第4章 選択の自由は、どんなときも使える
「そうは言っても、感情的になったときは無理だ」
「忙しいと、ゆっくり選んでいられない」
そう感じることもあるでしょう。
でも、“どんな状況でも、選択の自由は失われない”というのが真実です。
もちろん、最初から完璧に使いこなせるわけではありません。
大切なのは、“その自由がある”と知っていることです。
たとえば──
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腹が立ったとき、「どう反応するかは自分が決める」とつぶやく
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忙しい朝でも、1分だけ“立ち止まる習慣”をつくる
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反射的な言葉の前に、心の中でカウントダウンする
こうした小さな選択の積み重ねが、自分自身をつくり、未来を変える基盤になります。
第5章 日常に「選択の自由」を取り戻す3つのヒント
① 感情に名前をつける
「いま、自分は怒っている」
「ちょっと傷ついている」
そう認識するだけで、反応の衝動は少し和らぎます。
② “どんな自分でありたいか”を思い出す
選択するとき、「自分はどうありたいか」を意識すると、その場の感情よりも、価値観に沿った行動が選べるようになります。
③ 「反応しない」練習をする
すぐ返事をせず、1秒だけ沈黙する。
イラっとしても、まず深呼吸する。
このような小さな行動の変化が、選択のトレーニングになります。
おわりに
人間に与えられた最も偉大な力は、「自分の反応を自分で選べる」ということです。
この力を使えば、過去の習慣や他人の影響に縛られることなく、自分の人生を自分の意志でつくっていくことができるのです。
選択の自由は、誰の中にもあります。
それを使うかどうかは、あなたの選択です。
そしてその選択こそが、あなたの未来をつくっていくのです。
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