「こうするしかなかった」
「自分には選択肢なんてなかった」
「時代や環境が悪いんだ」
そんなふうに、人生の状況を“外側のせい”にしたくなることはありませんか?
けれど、本来、人間は主体的な存在です。
つまり、どんな状況でも“自分で選ぶ力”を持っているということ。
もし今、自分の人生が環境や他人に振り回されているとしたら──
それは、自分自身がそれを“選んでいる”ということに気づく必要があるのです。
第1章 「条件づけられる人」と「選び取る人」
私たちは、幼い頃からさまざまな“条件づけ”の中で育ちます。
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親や教師の期待
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社会のルールや常識
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年齢や肩書きによる役割意識
これらは無意識のうちに、“自分はこうあるべき”という制限を作っていきます。
しかし、その制限を「当然」と受け入れた瞬間、私たちは自分の人生を手放しているのです。
一方、主体的な人は、同じ条件の中でも“どう反応するか”を自分で選びます。
つまり、“枠”はあっても、“選び方”は自由なのです。
第2章 支配されているように見えて、実は「選んでいる」
「上司が厳しいから、気を使ってばかりいる」
「家族の都合で、自分の時間はない」
「今さら夢なんて無理に決まっている」
これらの言葉は、一見“被害者の声”に見えます。
しかし、その実態は──
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「気を使うこと」を選んでいる
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「自分の時間を持たないこと」を受け入れている
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「挑戦しないこと」を自分で決めている
つまり、他人や環境に“支配されているように見えて”、実はその支配を“選び取っている”ということなのです。
第3章 無意識の選択に気づくことが、自分を取り戻す第一歩
私たちは日々、無数の“無意識の選択”をしています。
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なぜかいつも忙しい
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なぜか同じ人間関係で悩む
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なぜかやりたいことに踏み出せない
これらの背後には、「今のままでいること」を、どこかで選び続けている自分がいるのです。
私のあるクライアントは、「職場が合わない」と数年悩んでいました。
しかし話を深掘りすると、「自分から言葉にすること」「環境を変えること」が怖くて、“我慢すること”を無意識に選び続けていたことに気づきました。
気づいたその日から、彼は少しずつ自分の意見を伝えるようになり、半年後には自分に合った部署に異動し、仕事の充実感を取り戻しました。
第4章 「状況のせい」にすることは、一時的な安らぎにすぎない
誰かのせいにすること、環境のせいにすることは、短期的には“自分を守る手段”になります。
しかし、それは行動の主導権を手放すことでもあります。
主体的な人生とは、「全部自分でやれ」という意味ではありません。
むしろ、「自分の反応や選択には責任を持つ」というスタンスです。
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反応せず、選択する
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逃げずに、向き合う
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否定せずに、受け止める
この態度が、私たちを外的要因から自由にし、本来の力を取り戻す第一歩になります。
第5章 主体性を取り戻すための3つの問い
では、どうすれば“支配される側”から“選ぶ側”に立ち戻れるのでしょうか?
次の3つの問いを、毎日の中で問いかけてみてください。
① 「今、自分は何を選んでいるのか?」
たとえ“何もしない”を選んでいたとしても、それを自覚することに価値があります。
② 「これは誰の責任か?」ではなく、「自分に何ができるか?」
他責から自責への視点の転換が、思考と行動の自由をもたらします。
③ 「自分は、どう在りたいのか?」
行動や判断の基準が、外ではなく内にあるとき、人はぶれなくなります。
おわりに
人間は本来、選ぶ存在=主体的な存在です。
環境や条件に流されているとしたら、それは外的な問題ではなく、「流されることを選んでいた自分」がいたからかもしれません。
でも、気づいた瞬間から、選択は変えられます。
他人に決められる人生ではなく、自分の意志で創る人生を、今日から始めてみませんか?
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