「人は変われるのか?」
これは多くの人が抱く問いだ。
そしてその答えは、「変われる。しかも、いつからでも」だ。

私たちは、過去の出来事や失敗、あるいは他人の評価を理由に、今の自分を制限してしまいがちだ。
しかし、想像力を使って未来を描く力こそ、人間が本来持っている最大の特権である。


第1章 記憶で生きるか、想像で生きるか

私たちは、無意識のうちに「過去の自分」の延長線上で今日を生きている。

  • 昔、失敗したから自信がない

  • ずっとこの性格だから仕方ない

  • あの時、うまくいかなかったから、今回もダメだろう

このような“記憶ベース”の生き方は、確かに安全だ。
なぜなら、既知の世界だけで生きていれば、リスクが少ないからだ。

だが一方で、そこには成長も希望も生まれにくい。
同じ景色の中で同じ悩みを繰り返し、閉塞感を抱えたまま年月だけが過ぎていく。


第2章 想像力は、人生の再設計ツール

では、想像で生きるとはどういうことか?

それは、「なりたい自分」を思い描き、その姿に向けて今日という一日を設計することだ。
過去がどうであれ、「自分はどう在りたいか」という問いに正面から向き合うことで、人生の舵を握り直せる。

私自身も、会社員として十数年を過ごしたある日、「本当にこの働き方がしたかったのか?」という問いが突き刺さった。
その時は遅すぎるように思えた。だが、想像した「自分が誇れる未来」のビジョンをノートに書き出し、数年かけて実現へと進んだ。

最初は小さな一歩。
けれど、その一歩が「新しい自分の物語」の始まりになった。


第3章 実績例:自分を描き直した人たち

この考え方は、私が関わった多くのクライアントにも共通する。

ある女性は、子育てが一段落したタイミングで「やりたいことが見つからない」と悩んでいた。
彼女はずっと「家族のため」に生きてきたため、自分のことを考える習慣がなかった。

そこで私は、「なりたい自分を言葉にしてみましょう」と提案した。
最初は戸惑いながらも、彼女は「人の心に寄り添えるカウンセラーになりたい」と語り出した。

そこから週1回の学びを始め、半年後には資格を取得し、地域の支援団体で活動をスタート。
「まさか自分がこうなるなんて」と彼女は笑った。

彼女は、過去ではなく“想像力”を信じたことで、新しい人生を創り出したのだ。


第4章 第一の創造者として生きる

ここで大切なのが、「第一の創造者として生きる」という姿勢である。

つまり、人生の設計図を自分で描くという自覚を持つこと。
それは、環境や過去や他人の言葉に反応するだけの人生ではなく、自ら能動的に選択し、動いていく生き方だ。

もちろん、すべてが思い通りにいくわけではない。
想像した未来が、現実とぶつかって軌道修正されることもある。

だが、その軌道修正すら「自分で決めた」と思えるからこそ、人は納得して前を向ける。


第5章 まとめ:人生を描き直す力は、いまこの瞬間にある

変化は、他人や環境がもたらすものではない。
「自分がどう生きたいか」を描いた瞬間から、すでに始まっている。

人生は、これから先も選び直すことができる。
そして、その選択の積み重ねこそが、唯一無二の人生を形づくっていく。

「私は、自分自身の第一の創造者である」
この宣言を、自分に贈ってみてほしい。