「やりたいことが見つからない」
「決断に自信が持てない」
「何のために頑張っているのかわからない」
こんな悩みを抱えている人が、いま急増しています。
情報も選択肢も溢れるこの時代において、本当に必要なのは「ぶれない軸」です。
その軸を築くのが、「自分の人生のミッション」を見いだすこと。
つまり、自分だけの“成文憲法”を持つことこそが、あらゆる悩みを根本から解決する第一歩なのです。
第1章 人生の羅針盤がないと、流されるだけになる
人は、何も意識しなければ「他人の期待」や「過去の延長線」に沿って生きてしまいます。
ある30代の会社員が、私のセミナーでこう語ってくれました。
「就職、結婚、昇進……すべて順調に見えるけど、実は“自分で選んだ感覚”がまったくないんです」
このように、表面的には成功していても、内面では“空っぽの手ごたえ”を抱えている人が少なくありません。
なぜなら、自分のビジョンや価値観ではなく、「周囲の期待」によって人生が形づくられてしまっているからです。
第2章 ミッション・ステートメントとは何か?
ミッション・ステートメントとは、自分が「何のために生きるのか」を明文化したもの。
つまり、自分の人生の“土台となる原則”をはっきり言葉にした「個人の憲法」です。
それは以下のような問いに答えるものです。
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自分は何を大切にして生きていくのか?
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どんな価値観に従って判断するのか?
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自分が関わる人たちにどんな影響を与えたいか?
このミッション・ステートメントが明確であれば、人生の選択や目標設定が、単なる反応や衝動ではなく、“意図”と“信念”に基づいたものになります。
第3章 ミッションが明確な人は、目標にブレがない
私が過去に支援した起業家の女性は、最初「利益を出すこと」が何よりの目標でした。
しかし、経営が軌道に乗ってきた頃、「この仕事に心がついてこない」と悩み始めました。
彼女にミッション・ステートメントのワークを勧めたところ、こんな言葉が出てきました。
「私は、誰かが『私はここにいていいんだ』と感じられる空間をつくりたい」
それを機に彼女は、事業のあり方を一部見直し、顧客対応やサービス設計の方針を大きく変えました。
結果的にリピーターが増え、彼女自身も本来の自分に戻ったような感覚を取り戻せたと言います。
ミッションがあるからこそ、短期の目標も長期のビジョンも、一貫性のある判断ができるのです。
第4章 自分の憲法に照らして、日々を選び取る
ミッション・ステートメントが「成文憲法」であるとは、日々の時間の使い方や、エネルギーの注ぎ方を判断する“基準”になるということです。
たとえば、自分のミッションが
「誠実な関わりによって、相手の可能性を引き出すこと」
であるなら、
・無理なスケジュールを組むより、一人一人との時間を大切にする
・すぐに結果を求めるより、じっくりと育てる関係性を選ぶ
といった行動が自然と選ばれるようになります。
これこそが、“主体的な人生”を生きるということなのです。
第5章 自分のミッションを見いだすための実践ステップ
ミッション・ステートメントをつくるには、いくつかのステップがあります。
完璧でなくてもいい。まずは、言葉にしてみることが大切です。
① 過去の充実体験を振り返る
どんなときに「自分らしさ」を感じたか?
その中に、あなたの価値観がにじみ出ています。
② これからの人生で、大切にしたいことを洗い出す
人との関わり、挑戦、成長、家族、創造……
「なぜそれが大切なのか?」と自分に問い続けてみましょう。
③ たった一文にまとめる
例:
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「私は、安心と勇気を届ける存在でありたい」
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「私は、目の前の人の声に、本気で耳を傾ける人である」
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「私は、言葉で人の行動を後押しする力を持っている」
まとめ 自分の人生を、自分の原則で生きる
私たちは、人生のあらゆる場面で選択をしています。
その選択の質を高めるのが、「正しい原則に基づいたミッション・ステートメント」です。
迷ったとき、不安なとき、疲れたときも、「私は何のためにこれをするのか?」と問い直せば、また前を向いて進むことができる。
あなたの時間、才能、労力を「自分の意志」で活かせているか?
その問いに自信を持って答えるために、今こそ“自分の憲法”をつくってみませんか?
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