「なぜ、いつも同じ失敗を繰り返してしまうのだろう」
「つい断れずに余計な仕事を引き受けてしまう」
そんな経験はないでしょうか?
私たちの行動や選択には、無意識のうちに身についた“プログラム”が大きく影響しています。
そのプログラムは、過去の経験、育った環境、周囲から刷り込まれた価値観によって作られたもの。
ですが、もし自分が持っているプログラムを自覚し、そこから自由になることができたなら──
あなたは 原則中心の、新しい自分だけのプログラムを、自分の手で書き換えていくことができます。
そのプログラムこそが、「イエス」と言うべきこと、そして「ノー」と言うべきことを見極める力となり、あなたの人生の選択に意志の力と自由をもたらしてくれるのです。
第1章 人は無意識のプログラムで生きている
私たちの日々の行動や反応の多くは、意識的な選択ではなく、無意識のプログラムに従って行われています。
たとえば、
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頼まれると断れない
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批判されると過剰に自己防衛してしまう
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完璧主義でなかなか行動に移せない
こうした傾向は、子供の頃からの経験や、親や教師からの言葉、社会の価値観が蓄積してできた行動の自動反応です。
これはある意味、人間の脳の省エネシステムでもあります。
しかし、これが知らず知らずのうちに自分の自由を奪い、不本意な選択をさせているとしたら?
自分がどんなプログラムに支配されているのかを自覚することが、自由への第一歩なのです。
第2章 自分のプログラムを見つめる
では、どうすれば自分の内なるプログラムに気づけるのでしょうか?
まずは「なぜ自分はこう反応したのか?」と自問する習慣を持つことが重要です。
たとえば、職場で急な依頼を断れず残業してしまったとき。
「なぜ断れなかったのか?」と振り返ってみると、
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「断ったら評価が下がる」という恐れ
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「良い人でいたい」という承認欲求
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「頼まれるのは自分しかいない」という思い込み
といった根底にある信念やプログラムが見えてきます。
この自覚がないままでは、どんなに行動だけ変えようとしても、また同じパターンが繰り返されるのです。
第3章 原則中心の新しいプログラムを書く
では、古いプログラムから自由になるにはどうすればよいのか?
それは、原則中心の新しいプログラムを自分の内に書き込むことです。
ここでいう原則とは、普遍的で正しい価値観や行動基準です。
たとえば、誠実さ、公正さ、尊重、自律、成長、貢献などがそれにあたります。
これらの原則に基づいて、自分が「どう在りたいのか」を明確にし、意識的に新しい選択を行うのです。
具体的には、
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「私は、誠実な関係性を築くために、無理な依頼には断る勇気を持つ」
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「私は、自分の大切な価値観に沿ったことに『イエス』と言い、それ以外には『ノー』と言う」
こうした言語化した新しいプログラムを繰り返し心に刻むことで、少しずつ古い反応パターンを上書きしていけます。
第4章 意志の力が育つとき
自分の中に原則中心のプログラムが確立していくと、自然と意志の力が強化されます。
それは、
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重要なことには心から「イエス」と言える
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大切でないことには罪悪感なく「ノー」と言える
という状態です。
「ノー」が言えないのは、相手との関係性や評価を過剰に気にしてしまうから。
けれど、自分が大切にしている原則が明確になっていれば、たとえ相手に嫌われたとしても自分の価値観を裏切らずにいられるのです。
その結果、行動がより自分らしくなり、自己肯定感も高まるという好循環が生まれます。
第5章 実践例:プログラムを書き換えて人生が変わった人たち
私がこれまでサポートした中でも、プログラムの書き換えによって大きな変化を遂げた方が何人もいます。
ある40代の女性は、長年「周りに好かれなければ価値がない」という思い込みに縛られていました。
そのため、嫌な仕事でも断れず、心身ともに疲弊していました。
そこで彼女は、自分の中にある「承認欲求」のプログラムを見つめ直し、
「私は、自分を大切に扱うことが人を尊重する第一歩だ」という原則中心の新しいプログラムを定めました。
それを日々意識する中で、少しずつ「ノー」が言えるようになり、自分らしい働き方を取り戻していきました。
まとめ:プログラムを書き換えるのは、あなたにしかできない
私たちの行動を支配しているプログラムは、変えられないものではありません。
むしろ、自覚さえすれば、自分で新しいプログラムを創ることができるのです。
その鍵は、原則に従って自分がどう在りたいのかを明確にし、それに沿って選択を繰り返すこと。
その積み重ねが、あなたの意志の力を育て、本当に大切なものに「イエス」と言い、そうでないものに心から「ノー」と言える人生をつくっていきます。
プログラムを書き換えるのは、他の誰でもない、あなた自身の手にあるのです。
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